今年はキンリョウヘンを準備し、待ち箱の設置も増やし準備万端で春の分峰に備えていました。飼育蜂の強制捕獲や自然入居は逃去もなく捕獲することができましたが、野生の日本ミツバチの捕獲には悉く失敗してしまいました。いくつかの要因があるようで今後の課題として待ち箱や設置方法に改善を加えていきます。

入居に至らなかった大きな原因はいくつかありますが、中でも今年初めて使ったキンリョウヘンを設置する数も考えないといけないと痛感しました。すぐ近くにいくつか巣箱をセットする場合は、メインの巣箱にだけキンリョウヘンを設置する方が良さそうです。キンリョウヘンの効果が絶大すぎるので、あちこちに探索蜂が分散してしまい迷子の無王群を作ってしまう事に気づきました。来年からは近くに巣箱を複数置く場合はキンリョウヘンを置く待ち箱を選択して、探索蜂がばらけてしまわない様にしたいと思います。中には別群れの探索蜂と喧嘩になる巣箱もあり飼育数が増えると野生の群れを引き込む機会を逃してしまいそうです。今年はうちの越冬群が予定より早く3群分峰してしまい、分峰前から準備して置いてあった場所に移動させた事で、探索に来ていた野生群れを捕獲することができませんでした。すぐそばに今年の冬に消滅した自然巣跡が二箇所あるのですが、急遽用意した新設の待ち箱には流石に入らずGW中に野生の群れが二箇所とも入居しているのを確認しました。

これは空き家で初めて入居した野生群れですが、キンリョウヘンから離れず1日立っても入居しなかったため強制捕獲して巣箱に入れました。今まで見た中で最小のサイズです。片手で持ってちょうどくらいのサイズでしたので工場に持ち帰って管理しようとしましたが、残念ながら1週間で逃去してしまいました。設置した場所の近くに新たに用意した待ち箱のキンリョウヘンに反応してしまい、また飛び出て張り付いてしまったので捕獲せずに逃す事にしました。多分無王群だったのではないかと思います。たぶん空き家にセットした待ち箱全てにキンリョウヘンをつけていたので迷子の無王群を作ってしまったのだと思います。その後すぐに自然巣跡に小さな群れの入居を確認していますが、2週間ほどで消滅してしまったのでこの群れだったのだと思います。観察を続けていると巣門の出入りで大体の蜂数が予測できるようになってきました。

今年は工場、自宅、妻の実家の空き家に待ち箱をセットしました。全ての待ち箱にかなりの探索蜂が来ており、ほぼ入居と思われた案件もありましたが、アクシデントもあり入居まで至りませんでした。野生の群れは警戒心が強く人間や音に敏感のようです。一度入居してしまえば大抵のことは気にしてなさそうですが探索中はかなり敏感になっているみたいなので絶対に視界に入らないようにしたほうが良さそうです。

女王蜂が着いていたと思われる場所にできる迷子蜂

何より感じたのは、鉄製台が待ち箱としては人気がないのではと思いました。飼育群れの場合は実際に営巣していた訳で、すんなり受け入れてくれるようですが野生のミツバチにはかなり敬遠されてしまったように思います。鉄製台は基本的に待ち箱としてではなく、捕獲後にセットするものと考える方がいいのでしょう。しかし、慣れない鉄製台に乗せてから逃去する例もあるようで、やはり丸胴タイプや木製の土台の方が自然に近い形なのでそれを好むのではないかと思います。本当は選んでもらった場所と巣箱を移動させない事が一番良いのですが、人間の都合で移動となるとやはりストレスを感じてしまうのでしょう。

入居確定と思われたが覗いて写真を撮ると、、、

私の場合、鉄製台にも巣門枠をつけます。観察しているとほとんどの蜂は木製の巣門から出入りするのです。下にある4方巣門を利用する蜂はわずかです。蜂にとっては通気性や巣クズの掃除にはとても役に立っているようで底板に残る巣クズも少なくキレイに保つことができて良さそうですが、人工的なブロックやら鉄アングルやらで通常より警戒されてしまっているようです。今後はもっとミツバチに警戒されないような構造に変更していこうと思います。今年は適当に作った丸胴も全く役に立ちませんでした。やはりサイズが大きすぎたのか中もチェンソーでくり抜いたまま汚い仕上げだったのでダメだったのかもしれません。