日本ミツバチの世界へ
Apiculture
森の生活プロジェクト
日本蜜蜂
私たちのすぐそばには人知れず活動している日本ミツバチ達がいます。私たちが意識しないとほとんど活動している事にも気づかないほど小さなミツバチです。日本古来からの在来種で日本の自然植物と密接に結びついており、果実や野菜などの受粉に必要不可欠な存在として重要な役割を担っています。そんな日本ミツバチですが環境の急激な変化などにより減少傾向にあるとされており種の存続が危惧されています。

日本ミツバチとの出会いと発見
興味を持って日本ミツバチの活動を観察することで新しい発見があります。そして気にも留めなかった草木や今まで咲いている事も知らない小さな花に日本ミツバチ達が懸命に蜜や花粉を採取している事に気づく事になります。そして季節が変わるたび咲き変わる花々に訪花する日本ミツバチの活動が自然植物の生態系に大きく関わっている事を再認識するでしょう。
そんな日本ミツバチに興味が湧いたならミツバチ達の世界に一歩踏み入れてみませんか?自然の中で懸命に生きる日本ミツバチ達ですが自然環境はとても過酷です。家畜蜂として養蜂に利用される西洋ミツバチのように人間に管理されなければ生き残れない外来種とは違い、昔から自然の中で逞く生き続ける日本ミツバチでも長く寒い冬を耐え抜き生き残れる群れはそうは多くありません。実際に自然巣や飼育群れを観察していますが、夏の猛暑による巣落ちや外敵(スズメバチ)からの襲撃、農薬や除草剤での群れの不調など様々な要因で群れが春まで存続できる可能性はとても低いものです。
養蜂は日本ミツバチの捕獲から始まる
日本ミツバチの飼育といってもほとんど人間が世話をすることはほとんどありませんが、唯一できることは安全で居心地の良い住処を提供してあげることくらいです。基本的に餌を与えることもありません。ミツバチの捕獲は用意した巣箱に入居してもらうだけなのです。あとは日本ミツバチ達は誰から教わる事もなく蜜源や花粉源を探し出し情報共有しながら群れで効率よく蜜や花粉を運び活発に営巣してくれます。

群れが越冬できるほどにたくさんの蜂蜜を集める強い群れに成長すれば初秋にはミツバチ達から貴重なハチミツを少しお裾分けしてもらう事もできるでしょう。飼育している群れが少しずつ成長する様を観察する事で、ミツバチ達から自然の摂理を教わり自然との共栄を楽しんでもらえたらと思い、森の生活プロジェクトの一環として、養蜂チャンネルを発足させる事にしました。
待ち箱
まずは、野生にいる日本ミツバチ達の分蜂に合わせて巣箱の準備が必要になります。分蜂は暖かい南の地方や標高の低い平野部から始まり北日本や標高の高い寒冷地へと広がっていきます。私たちが住む小国郷では標高は450mから700mあり真冬には気温が日中氷点下であったり強い寒波が来れば−10度になるような寒い地域ですが日本ミツバチ達は自然の中で力強く生活しています。分蜂時期はお住まいの地域で変わってくるので下調べしておくと良いでしょう。南側は2月の後半から北は5月の終わり頃までと分蜂前線が日本列島を上っていきます。私たちの住む小国郷では4月中旬から始まり5月のGWあたりが分蜂の最盛期となり3月後半から待ち箱の準備に入っています。

待箱の設置は分蜂が始まる前に準備します。巣箱に蜜蝋を塗りミツバチ達に場所を知らせるために匂い付けをします。初心者の方であれば誘引液や日本ミツバチの蜜蝋は自前で準備することが難しいので購入されると良いでしょう。中には誘引ルアーやキンリョウヘンを利用するという手もあります。始めて1年目で捕獲できる方もいれば3年経っても入居してもらえない事もありますので気長に待ちましょう。

探索蜂が訪れるようになると住処として候補地となります。私たちの住む地域には自然巣の跡もあり以前に使われていた住処を好む性質上、人が作った新品の住処を選んでもらえない事もありますが気に入ってもらえれば一斉に大挙して巣箱の中に入居してもらう事ができます。

自然の群れを最初に捕獲することが一番難しいのですが、待ち箱を設置する場所は陽当たり具合や雨風を凌げる木陰であったり巣門の方角など蜂達ができるだけ好むように考える必要があり、できるだけ時間をかけて待ち箱を置く場所を考察しましょう。最初の群れを捕獲できれば2年目以降は越冬群れの分蜂群を捕獲できるので群れを増やして行くことは容易になるでしょう。
小国杉待ち箱セット
待ち箱セット
養蜂を始めたい人のために待ち箱セットを準備しました。私たちは木材加工業を生業としており、小国杉を使った待ち箱を企画製造して販売しています。実際に試験的に色々な部材を使用して作った巣箱に入居してもらい営巣するに問題のない巣箱となっています。今後は待ち箱台や蜜蝋、ハチミツの販売も手掛けていく予定となっています。待ち箱の設置様子や飼育している群れの成長日記なども拡張していくのでどうぞご期待ください。
工場裏養蜂ブログ(仮)はこちら
分蜂の捕獲や巣箱の設置方法や飼育群れの成長日記などのブログを開始します。今まで貯め込んだ写真やネタをアップしていくので楽しみにして下さい。