弱小群を失いショックを受ける中、いよいよ2月に突入。2月は一番強い寒波が入ってくる時期で、自然入居軍もさすがに持ち堪えることができるかどうか。今年の冬はここ10年以上体感したことがないほどの寒い冬でした。軒先から滴り落ちる雪解け水がつららになってカチコチです。近くの川も例年の如く凍りつき寒波が長く寒さが和らぐ日がない相当厳しい冬となりました。

2月に入ってからすぐに給餌することを考え、砂糖水を準備しました。2月も寒の緩みがなく下手に給餌して巣に戻れなくなるミツバチが発生しないように十分考慮し、給餌するタイミングを見計らっていました。2月も下旬になり気温は上がらず非常に厳しい状況でしたが、ミツバチ達が動き始めてしまったので慌てて給餌することにしました。時期的に早すぎるのではないかと思いましたが、もう貯蜜も切れているであろう。極寒の中活動を開始してしまったのです。もう限界まで耐えていたのではないでしょうか。巣の前に砂糖水を置くとすぐに群がってきました。よほどお腹が減っていたのでしょう。少しずつ日中気温が10℃近くまで上がったら1時間程度で飲み干せる程度の砂糖水100ccほどを与えながら数日繰り返しました。巣の目の前に置いているのですが、やはり寒さで動けなくなり戻れないミツバチ達が出ていました。手で温めて巣へ戻してあげる事にしたのですが、数日後に今まで一度も刺されたことがなかったのにとうとう興奮した見張りのミツバチにブスッとおでこを刺されてしまいました。とてもおとなしいミツバチの群れだったのですが生きるか死ぬかの瀬戸際にいる状況なので気性も荒くなるのは当然ですね。冬は気をつけないとミツバチを傷つけてしまう事になるので防護服を着て作業しなければと思いました。

まだまだ寒い中での給餌だったので調子を崩して消滅してしまわないか心配しましたが、与えずに弱小群のように消滅してしまったら後悔しそうだったので与えることにしましたが、砂糖水1kgを少しずつ与えたことでミツバチも元気を取り戻したようです。

3月5日撮影

2月後半から3月初旬頃まで給餌して蜂数が増えたのか少しミツバチが巣の中から出てきたように見えます。2月後半から咲き出したヤブツバキに訪花するようになり、ようやく子育てができる環境になってきたようです。南向きに立っている日当たりの良いヤブツバキに多くのミツバチが訪花しています。まだ山つきや日陰の椿には全く見向きもしません。この時期はいまだに寒いので体温が維持できないような日陰の植物には向かっていかないようです。

3月28日撮影

3月後半には1箱いっぱいにミツバチも増え無事に越冬できたのでした。わずか1箱程度しかない日本ミツバチの群れでしたが近年に例がない寒い冬を乗り越えてくれました。これから待ちに待った分蜂の季節になっていきます。今後この群れがどのように成長してくれるかとても楽しみです。