南小国町の黒川にある貸別荘を営むオーナー様よりペレットストーブの設置依頼をいただきました。黒川といえば標高700m以上ある南小国でもトップクラスの寒冷地です。オーナー様が実際に冬の南小国を体感し、大型のペレットストーブが必要との希望があり、今回は大型のストーブでも静音性もあるハーマンのアブソルート43に機種決定いただきました。アブソルートは60Hz地域限定での出荷製品となりますので、西日本で活躍するストーブです。夏は涼しい我が町ですが、冬となると氷点下など日常茶飯事で日中氷点下や−10℃など厳しい気候です。

今回は大型の高出力モデルを採用いただきました。大抵の国産ストーブの出力は6kw前後のものが大半です。高断熱の省エネ住宅が定番になり高出力ストーブの需要が少ないという事で生産している国内メーカーはほとんどありません。シーズンが始まり、年に数回ほど真冬日で寒波が必ずやってくるのですが、標準クラスのストーブではその際はスペック不足になります。年に数回あるかないかの非常時に合わせて高出力のストーブを購入すると、イニシャルもランニングコストも上がってくるので、エアコンや他の暖房器具を併用で使って頂くことを念頭に最初に機種選定を行います。しかし、それでも不足する環境の場合は、海外製の10kw以上の高出力モデルを推奨するようにしています。今回のアブソルートは10.2kwと出力も申し分ありません。

出力の大きなストーブはやはり重量級です。カタログでは136kgとありましたが、体感は150くらいあるのではないかと思うくらいの重量感でした。クラシックタイプの形状をしているので、重心が低く持ちにくいという形による重量感なのだと思います。ヨーロッパは縦長のスタイリッシュなストーブが多く、重くても持ちやすいため、200kgあっても安定感があり軽く感じるという事でしょう。今回はオプションのフロアプロテクターも採用いただきました。外部導入システムを組み込み、燃焼用の吸気は屋外から取るので負圧等でのエラーや使用していない時など逆流による屋内への匂いの漏れを防ぐことができます。

今回は断熱2重排気管を採用しています。高出力ストーブは排気も熱くなるので、断熱二重管の使用をお勧めします。特に寒冷地の場合は、排気温度が下がることでドラフト効果も弱くなりスムーズな排気ができず、本体が高温になりやすく安全性や長時間での連続運転でかなり性能が変わってきます。

T字管にも覗き窓と水抜き蓋がついており、排気管を取り外す必要もなく簡単に本体内部までの煤掃除ができます。セルフメンテをご希望の場合は、ワンタッチでバンドを外して開けることができるので特にお勧めです。

外気導入システム。高出力タイプで吸気管径もφ75と大口径です。

カラーの液晶タッチパネルが採用されており、燃料タンクにもタッチパネルと連動して照明が付きます。これは視覚的にとてもわかりやすくなっています。大抵の海外製のものでお客様が困惑するのが操作パネルです。英語表記で日時設定やタイマー設定などの画面が複雑でわかりにくい特徴があります。マイコン制御になっており細やかな設定管理ができ機能は高いが、一般の方には敷居が高いように思います。今回の液晶パネルはスマートフォンの様な個別アイコンになっていて感覚的に操作できます。英語表記でもアイコンの絵柄でイメージがわかるので直感的に操作できるでしょう。画面上のMenuから入ると各設定アイコン画面に切り替わります。写真左下のウィスパーモードボタンに触れると静かな動作音で運転します。海外製の大出力ストーブは動作音が非常に大きい傾向にあるのですが、このウィスパーモードに切り替えるととても静かな運転になるので高火力で使用しない時期や静かな空間にしたい時でもストレスなく利用できると思います。カタログでは℉(華氏)で温度表記になっていますが、設定で℃(摂氏)表示に切り替える事ができます。日本人はやはり℃でなければ使い辛いですね。

ハーマンストーブは独特のペレット供給システムが売りで、どんなペレットでも燃焼できるという優れものです。ペレットが押し出されるようにタンクから供給され燃えカスは奥から送り出されたペレットで自動的に灰受け皿に落ちていきますので、長時間運転はもちろん毎日の灰掃除も一瞬です。マジックミラー採用で使っていない時は炉内も見えず汚れも気になりません。
