山本製作所さんの講習会&新機種OU(オウ)の説明会に参加してきました。創業100年を記念するモデルとして、ほのかの上位機種OUの発表と販売開始です。高級感だけでなく、機能にもこだわった機種となっており非常に素晴らしい出来となっています。

国産のストーブの中でも、多くの機能を搭載したモデルとしては、かなりの出来上がりで定価60万円と高額ですが、その機能や仕様を知れば、なるほどうなずけるはずです。前面には山形鋳物を使用した贅沢で高級感のあるフロントマスクとなっており、国内外でもダントツの高級感がありました。ほのか同様に足元温風仕様。火力は4段階で、P1,P2の弱火力では温風カットの輻射運転で稼働でき、静寂性は国内外トップクラスです。温風が苦手な方や動作音が気になると言う方には非常にマッチした機種です。

沸かしたケトルやお鍋の保温ができる天板は、ほのかと同様。天板とサイドカバーは、前面の山形鋳物でできたフレームや扉と統一性を持たせるザラっとした塗装が施されており、一見全面鋳物かと見間違えるほどの質感で高級感があります。操作パネルを覆い隠す蓋がありデザインに力を入れているのがわかります。

蓋を開けると、操作パネルがついた燃料タンクの蓋が現れます。操作パネルもOUのデザインに合わせて、フォントやサイズを新たにリニューアルしています。操作パネルには、ほのかには無かった室内温度と設定温度を表示することができ、AUTO運転が採用されています。国産では数少ないAUTO運転で稼働することができ、室内温度設定で火力の調整が必要ありません。

蓋を開けるとペレット燃料を入れるタンクが現れます。燃料タンクには閉め忘れセンサーが搭載されており、アラームと表示でお知らせする機能が付いています。数回お知らせしても蓋が閉じられなかった場合は、自動消火する仕組みです。気密の高い住宅でも使用できる気密住宅対応機種となっています。

タンク蓋右下に見える金属のピンが閉め忘れを感知します。蓋の切り込みに刺さるようになっており、蓋側にセンサーが内臓されています。燃料タンクの気密が確保されていないと、逆火現象の原因になります。特に最近の気密の高い住宅には必要な機能です。

写真上のV字にカットラインが見える部分に燃料切れセンサーが搭載されています。国産ストーブで燃料センサーが付いているのは、山本製作所の上位機種『禅』に続き、OUにも搭載されました。非常に使い勝手が良く燃料切れを起こす心配が無くなります。燃料切れからの再着火は、スクリュー内の燃料充填や着火不良の原因であり、一番多いエラーとなっています。オーガスクリューモーターの左下に見えるのが、室内温度センサーです。こちらで室温を感知して、設定温度との差をプログラムで運転しAUTO運転が可能になっています。設定した温度で燃焼させる事ができるので暑すぎず寒すぎずで快適に利用する事ができます。

正面扉の閉め忘れを感知する閉め忘れセンサーが扉錠の横に搭載されました。扉が開いていると着火ができない仕様となっており、非常に安全性が高まっています。扉の閉め忘れでの着火不良は事例が多く、非常に危険なためこの機能は非常に優秀です。運転中に扉を開けても即消火に入ります。炉内にはバーミキュライトを採用しており、サビや結露を軽減し、炎が炉内を照らし燃焼をさらに綺麗に魅せる事ができます。

扉には、万が一の不完全着火の際に起きる爆発的引火の際に、ガラスの損傷を抑えるためにベント機能が搭載されました。炉内の圧を逃す機能はヨーロッパの機種には、当たり前のように搭載されていますが国産では初めて。これはかなり重要な機能ですので非常に優秀です。

着脱式の燃焼ポットカバーは、お手入れがし易く、消火後の清掃も素早くできタイマーを使う方には非常に使い勝手が良い機構です。専用のカバーグリップも付いていて、まだ熱い状態でも手を汚さずに着脱する事が簡単にできます。

灰受け皿は、2層構造で灰の除去忘れを防ぐ効果があります。専用掃除機をお持ちのかたは、灰受けを引き出さずに掃除をするので奥に隠れた灰受けに大量に灰が残っている事がありますので、とても良い仕様です。

扉のレバーは着脱式となっており、お子さんの悪戯や誤まって扉を開けてしまう恐れがなく安全に使用できます。足元には、山形の杉でできた成型合板でオシャレに飾られており、フロアとの相性もバッチリです。

着脱式のレバーは、六角レンチ仕様。

山本製作所OU

今回、紹介したOUの安全機能ですが、私がこれまで設置してきた120台以上のお客様の使用体験の中で、問題になったほとんどの事案を未然に防ぐ機能が付いており、より安全に快適に使用いただけると思います。ぜひオススメしたい一台です。国内外のペレットストーブは安全性の高い優秀な機種が多いですが、ヒューマンエラーを防ぐ事は難しいです。この様な機能が付いた機種を選択されると操作ミスによる危険性を軽減する事ができます。